老化と身体の縮み
外見ではわからない歪み「内在するマス目の歪み」
上半身の横ずれや、肩の高さなど、一見、外見上の歪みがない様に見える二人を並べてみました。
ただし、内側のマス目状態には違いがあります。

左:マス目の歪みなし 右:マス目の歪みあり
初めは左のようにマス目の歪みが少なくても、大多数の方が加齢と共に、右のようにマス目の歪みが増加していきます。
歪みの増加と老化の進行
マス目の歪みは、全身に捻れる方向の力がかかり続ける状態を起します。
ここに加齢に伴う筋力・弾性の低下等が加わってくると、絞ったタオルのように、縮みながら固くなっていき骨格的老化が進行していきます。
下のイラストは歪みの進行、途中経過のイメージです。

左から右へ、歪みの増加と加齢が進行中とします。中央は説明しやすい様に、あえて外見上の歪みを目立たせています。
筋力・弾性の低下がまだそれ程でもない年齢・肉体状態の場合、マス目の歪みに対し、全身をガチガチにを固めることなく、ある程度、緩んだ状態で対応していられます。外見上の歪みとして現れること多く、中央がそのタイプになります。
歪んでいるなりにも緩んで立っていられるので、関節部の拘束も少なく、日常生活上での様々な動きにもまだ、余裕があります。
しかし、加齢とマス目の歪みの増加が進むと、次第にこうした状態で立位を維持していくことが難しくなっていきます。筋力・弾性の低下と、全身圧縮に伴い、右のように変化していきます。
歳をとると身長が縮むのも歪みの影響
「歪みの増加=身体が捻れる方向への力の増加」となります。
絞られたタオルの様に捻れていく力が加わり続けていくと、次第に全身が圧縮される方向に向かわざるをえなくなります。


しかし、別の見方をすると、全身が圧縮されていくことで、物体としての安定度が上がるとも言えます。
ただし、物体としての安定度は維持できても、全身骨格は固まりながら、関節も硬くなり、「揺らぎ」を失っていくため、緩んでいることで感じられる重力、中心感覚、皮膚感覚など、多くの感覚は低下していきます。
関節可動の低下、膝、股関節の痛み、運動刺激に偏りが起きることで胃腸の蠕動運動の低下や、血行不良など「老化が原因」と言われる様々な問題が示すところです。
捻れと圧縮、重力下での宿命
老化時の歪みの特徴は、捻れや左右差よりも、強度のO脚、腰の丸まり(生理的湾曲の喪失)という形で表れてきます。捻れが極まってくると、圧縮以外に歪みの収めようがないため、高齢者特有のこうした骨格状態になっていきます。
多くは加齢に伴う、歪みの蓄積と組織の劣化によるものですが、いわゆる発達障害といわれる情緒コントロールが困難んなお子さんや、小中学生の側湾症、強度の不良姿勢のお子さんの場合、すでにこうした圧縮の強い肉体状況にある場合がほとんどです。
本来ならば、成長期の伸びやかな時期に、快適な身体の土台となるしなやかな筋骨格が育まれるものが、歪みの影響で、人生後半の老化のように圧縮される力が加わり続けるため、ただ普通に立つことだけでも不快、重力下に適応するだけでも一杯々の肉体状況にあります。こうしたことが精神面に影響していることは多々あります。
老化に限らずですが、365日24時間かかり続ける重力の影響は計り知れないものがあります。
マス目の歪みという存在から発生する「捻れと圧縮」という存在にアプローチすることで、重力が及ぼす影響に対し、より良い状態への変化をもたらすのが、骨格細分調整です。
