「上を向くと首、肩が痛い」〜水の飲み方でも姿勢は作られる
首肩の痛みから頭痛が
20代女性 Yさん 学生
ご相談内容
・上を向くと首、肩が痛い
・そのせいか、最近は頭痛もし始めている
施術前立位
上半身の右横ズレ、左背面下がり
肩首周辺筋肉が縮み、肩・腕ごと前方に巻き込み、首の後ろ側が圧迫されたように平べったい
施術箇所
胸椎、腰椎、肋骨、頚椎
施術後、上半身全体の捻れの減少に伴い、肩首周辺の筋肉拘束減少。首に長さが出て、後ろ側の圧迫感も減少した。
Yさん「肩が下りた〜!楽〜」
しかし、上を向く時の痛みは残っている。
使い方、動かし方にも原因が
Yさんに何気なく上を向く時や、水を飲む時、うがいの時の動きをしてもらうと、次のような状態でした。

これは動きやすい頸椎中部を酷使し、痛めやすくするだけでなく頚椎7番、胸椎1番が前方に押し下げられ、僧帽筋の短縮を起こします。
次のイラストはこうしたリスクの起きにくい上の向き方(水の飲み方)です。

書籍「構造的に正しい姿勢 身体の使い方 理論編」を見ながら違いを説明。
Yさん✖️の方のイラストを見ながら、「あ、これやってます(笑)」
上の向き方、修正方法
手の平全体を首の後ろにあてながら、曲り初めが頭蓋骨と首の際になるようにゆっくりと上を向く。

手の平で頚椎全体をフォローしながら、頚椎上部を動かそうとすると、グニャグニャ癖のある中部だけの動きではなく、頚椎全体がしなやかに動きます。
Yさん、はじめは不思議そうな顔でしたが、やがて笑みがこぼれ「痛くないです・・えっ?何で(笑)」
痛みが出る時と、出ない時との「動かし方の違い」と、それぞれの、肩首まわりの感覚、筋肉状態の違いを観察、確認して終了しました。
「何気なく上を向く」大切な日常動作
上を向く動きは
・水を飲む時、
・目線より高いところの物体を見る時、
・うがいをする時など、
頻度の高い日常動作の1つです。
歪みによる筋肉拘束(通常の動きを妨げる強いコリ)が強いと、本来の動きが妨げられることで、不自然で無理のある動きが起きやすくなります。
しかし、施術で筋肉拘束が解除されても、普段の身体の使い方によっては、改善しきらなかったり、同じ不調を繰り返す起こすことになります。
日々の使い方で未来の姿勢が作られていく
動きの間違いが先か、歪みによる筋肉拘束が先なのかは、それぞれですが、全身にはどのように影響していくのでしょうか?

左:頚椎が押しつぶされることなく、しなやかに傾斜した状態で上を向くと、胴体前面部が上に引き伸ばされ、体が縮みにくいる。
右:頚椎中部が酷使された「首グニャ曲がり」の動きは、僧帽筋が縮み上がり、全身に圧縮されるような圧力が生じる。
次のイラストは、これに呼吸の方向が合わさり、老化していった時に予想される肉体の傾向です。

*呼吸の方向について詳しくは、書籍「構造的に正しい姿勢 身体の使い方 実践編」をご参照ください。